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不採用となった出版社からもらった原動力

今日、あるメールを書いていたところ、思い出した。
いまから3年ほどまえ、出版社、T社に入社しようかするまいかといったころのこと。

実をいうと、T社の入社試験を受けていた当時、すでに数社から採用通知をいただいておりながらも、思うところあって、わたしはお断りをし続けていた。何件もの「なんとか入社してほしい」「条件面を(求人広告より)優遇するから、どうか入社を」といったお電話をいただいている状況だった。

そんな最中、わたしはいまの原動力のひとつとなるほどの出来事にあう。
出版社、K川書店さまから当時いただいたご対応だ。そのとき、K川書店さまは編集ではなくデスクを募集していらしたのだが、それでもいいかなと受けてみていたのだった。

結果からいうと、K川書店さまからは不採用をいただいた。

しかし、同社は不採用の際には連絡をしない方針だったのだが、驚くことに、わざわざわたしへはこのようなお電話をいただいたのだ。

「現在、やはりどうしてもデスク枠しかない。デスクをしてもらいながら、編集枠に空きが出たときに編集セクションへということも考えたが、いつその機会ができるか不透明であるし、確約しにくい。

もちろん、あなたの編集者としての素質は十分すぎるほど認める。それだけに編集枠で採用できないというのは、あなたにとってもったいないことだと考える。あなたもきっとものたりなさを感じることになるだろう。

だから、弊社としては本当に本当にほしい人材で、大変残念ではあるが、いまここであなたを採用するということは、あなた自身の“編集者としての成長”を弊社がとめてしまうこととなってしまうと考える。それを避けるため、今回は不採用とさせてほしい。

だから、くれぐれもあなたに資質がないなどといった理由での不採用ではないこと、本当は不本意な不採用であることを理解してほしい。あなたならほしがるところはたくさんあるはずだ。

そして、あなたの能力を弊社よりももっともっと存分に発揮できるところでがんばってほしい。期待している」

このお電話に背中を押され、思い切って、T社への入社を決めさせていただいたのだった。

これはレアケースかもしれないが、採用・不採用はただの結果でしかなく、その気になれば、たとえ不採用であっても大きなものを得ることができるという点では、ひとつの事例となるだろう。

それとともに、いまのわたしに原動力を与えてくださったK川書店さまの誠意ある、わたしにはもったいないほどのご対応には、本当に頭の下がる思いだ。

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